2021年8月30日月曜日

現代民話考「あの世へ行った話・死の話・生まれかわり」著:松谷みよ子 から(その2)

 以前にも、投稿記事として紹介しましたが、


この書は451頁にも及ぶ、松谷みよ子氏の大著です。民話の括りなので、さしずめ民俗学の類に入るでしょうか。現代民話と題していますから、つい数十年前の昭和初期頃の話が多く、興味を惹かれる体験談に事欠かないもので、最近の若者が読んでも十分に通用するものと思います。現代風で言えば、「怪談話」ですが、この著の話のほとんどは、何気ない日常生活の一部分を突然切り取って、異界の住人達が入り込んでくるような感覚です。体験時間も非常に短く、私も「霊体験シリーズ」でいつも強調しているとおり、実際の霊体験はこんなものなのだと分かります。現代の怪談話は脚色が多く、作り話的なものであるとも気づくはずです。霊体験とは何か?を考えさせる良い参考になりますので一読をお勧めします。では、今回2つの話を紹介します。

「奈良県宇陀郡御杖村。親戚、身内の者が死ぬ時、夜寝ているとガシャーンと何か落ちる音とか、仏壇の鉦が鳴る音とかが聞こえる。おかしい音がするなと思っていると、次の朝、だれそれが死んだと知らせがくる。そういうことがよくある。(話者・上谷進。出典・『鬼っ子』三号)」

「滋賀県近江八幡市。昭和39か40年の7月末頃のこと、母が昼頃、庭の草むしりをしていて、仏壇のリンが鳴ったのを聞いたのです。今頃誰もいないはずと、手を止めわざわざ見に行ったのですが、誰もいなかったそうです。それから四、五日して広島県の尾道にいる父の弟さんが亡くなられた知らせが入りました。やはり魂は親元に帰るというのは本当なんでしょうか。(回答者・瀧井金義 滋賀県在住)」

 これらの話は、日常生活の一瞬の出来事です。今回の2話は、誰もいないところから仏壇の鉦が鳴って身内の死を知るといういわゆる「お知らせ」現象ですが、実際にこのような事は有ります。ただ、この鉦の音は、霊的な霊聴の一種なので、同時に同じ場所に複数人の人が居たとしても聞こえる人と聞こえない人が出てくるはずです。そこが心霊世界のもどかしい所で、一般大衆的な科学的証明が難しく非常識・オカルトと非難される所以なのです。