2020年7月4日土曜日

とある一つの霊体験 (1)

 私が、まだ二十代の若い時分の話です。就職したばかりで、あるアパートの一室をお借りしていましたがそこの大家さんの御主人が非常に穏やかで気さくな方でした。そのアパートは大家さんの自宅の二階に4室が設置されていまして、仕事から帰ってきて階段で上がる際に、ご主人と挨拶を良くする機会があるものでした、2年ほど経った頃そのご主人をしばらくお見受けしなくなりました。
 そんなある日、夜遅くアパートに帰ってきましたら大家さんの家はお通夜でした。お訪ねすると遺影はそのご主人のお顔でしたので驚きました。
 というのは、その二日ほど前のお昼に大家さんの自宅前でそのご主人とお会いして挨拶をしたからです。特に会話を交わしたわけでもなく、軽くのごあいさつ程度だったのですが、その時は、非常に元気そうでしたので、急にどうしたのかと思ったからです。
 そのことを、奥様にお話ししましたら、驚いた様子で「そんなことはあり得ない、なぜなら、主人は癌の治療で1か月ほど入院していて一度も家に帰ってこなかった。」とのこと。もっと驚いたのは私の方でしたが、ご主人の弟さんと見間違えたということでこの話は終えましたが、最後に奥様が、「主人の魂が入院中に帰ってきたんですかね。」とポツリと言った言葉が忘れられません。その弟さんは、長身の御主人に比べて身長も低く、あまり似ているとは言えない方でしたが・・・。
 その時、お会いした時の御主人は、何も喋らずニコニコされていましたが、全く生きている人と寸分変わりませんでした。所謂、生霊(いきりょう)と呼ばれるものでしょうか?数十年経った今でも偶に思い出す出来事です。
 失礼ながら、もう名前も覚えていませんが、ご冥福をお祈り申し上げます。